《MUMEI》
衝撃デビュー
『なんとここでライトニングス、ドラフト三位で入団した佐藤 悠を持って来ました。プロ初登板です。さあ、この九回、1点を守り切れるか。』
「やっともどって来たな。」
「おう。ど派手なデビューにしてやるぜ。」
「プレイボール。」
『さあ、注目の第一球・・・投げた!!』
パァァァン
大きな乾いた音が球場に鳴り響いた。
「す,ストライッ〜。」
『ひゃ、156キロ!?』
球場が大きな歓声でうごめく。
「タ、タイム。」
タイムをかけ、秀は悠の元へ向かった。
「なんだよ。
「なんだよじゃねえよ。」
「・・・騒ぐな。こんなのはまだ序の口だよ。」
ニッと悠は笑って見せた。
「分かった・・・。」
秀は戻った。
「プレイ。」
「(おかしいだろ。高校最後の試合でのMAXが145キロだった奴がたった1年でここまで・・・。)」
ズガン
とさっきよりも大きなミットの音が響く。
表示されているのは158キロ。
「(まぐれでも、フロックでも無い・・・。あいつ、ここまでストレートを磨いてやがったのか 。なら、これは・・・。)」
秀がサインをだす。悠はうなずき、投球モーションをおこす。
ボールが放たれた。同時に、バットが出る。バットに当たる直前にボールは落ちてワンバウンドでミットに収まった。
「スウィング、アウッ。」
ワーーーーーーーー
「(フォークで151キロか。すげえ。)」

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