《MUMEI》

バシッ!!



日高のシュートは止められる。



(くそッ…!!)



「そっ…」



速攻。


に、走りたい秀皇だが、


サイドが打ったシュートに対し逆サイドはカバーに備え走らないのが定石。


好スタートを切れない秀皇に対し、


位置的優位に立つ赤高の選手陣は既に自軍コートに戻りを終えている。


速攻は出ない。















………………………………



    赤高ベンチ



「ふむ…」



考え込むクロ。



「どうかしたのか?」



尋ねる安本。



「選択肢は間違っちゃいないかなと。」



「おぉ。」



「順序だててこっちの狙いを実現させようとしてるのはわかりました。」



「ほ〜。」



「さすが椎名です。」



「けど…シュートが入らないんじゃな。」



「そうです。


いや全くその通り。


日高の力量不足です。」



「いや何もそこまで…」



「僕ならあそこで誘いには乗りません。」



「また…」



「打つコースがない…何てことがあるわけないでしょ。」



「つ…強気だな。」



チラッ…



時計を確認するクロ。



(3分30秒…


どうせすぐ取るつもりだったし、


このワンプレーが終わったら行くか…)



………………………………

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