《MUMEI》

「ビーッ!!」



オフィシャルのブザーが鳴る。



「タイムアウト。赤城北高校です。」



「クロさん…」



「またはぇぇなおい…」



赤高。


前後半1度ずつしか使うことのできない貴重なタイムアウトを使用し、


時計を止める。


この時点で、


赤高がタイムアウトを使う権利が消滅する。















………………………………



    観客席



………………………………



ザワザワ…



「何か…ヤバくない…?」



ザワザワ…



「あっという間に追い付かれたよ…?」



ザワザワ…



「お、俺に言われてもしるかよ!!ハンドボールわかんねぇし!!」



ザワザワ…



「やだぁ…負けて欲しくなぁい…」



ザワザワ…














………………………………



………………………………



5分とたたぬ間に、


点差を1にまで詰められた赤高。


ハンドボールを知らない観客たちでさえ、


この状況が思わしくないことを理解する。



………………………………



………………………………



   同じく観客席



………………………………














ザワザワ…



「また随分と簡単に…」



ザワザワ…



「これが秀皇だろ。」



ザワザワ…



「うぅ…やだよぉ…」



ザワザワ…



「藤田、お前も長いことハンド関わってんだからこういう展開があり得ることくらいわかんだろ。」



ザワザワ…



「そう…だけどさぁ…」



ザワザワ…



「だけどな、」



ザワザワ…



「なに…?」



ザワザワ…



「クロがタイムアウト取って、戦況が変わらなかったことがないのもまた事実だ。」



ザワザワ…



「え…?」



ザワザワ…



「この状況を打破する策があるからこそタイムアウトを取る。


それがクロ。


そしてこの早い段階でそれを見つけられてんのであれば、


まだ諦めんにははえぇ。」



ザワザワ…



「うん…そうだね…」



ザワザワ…



………………………………

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