《MUMEI》
丹輝の正体 6
いきなり紫はスペルカードを発動した。
ものすごい量の弾幕であたりが弾だらけになる。

丹輝は落ち着いていた。
すでに魔理沙と戦闘したことがあるわけだからではない。
喰らったことがあるのだ、このスペルを……。
「あら、喰らう前に思い出したかしら」
「いや、全部じゃない」
「…そう、じゃあ喰らいなさい」

最初に設置された弾幕が動き出す。
同時に丹輝の能力も発動する。
一段目を丹輝は一歩も動かず避けた。
そこが安地だと覚えていたから。
「このスペルは思い出したようね」
紫は軽く微笑む。
「そうらしい。でも俺はあんたを知らない」
「あら?まだスペルは終わってないわよ。
 全部避けたら思い出すって言ってるじゃない」
「…初耳だ」

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