《MUMEI》

「な……」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



(なにぃぃぃッ!!!??)



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「ナイッシューです日高さんッ!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「お…おおぉぉぉぉッ!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



後半初の得点を決めたのは日高。


ようやくの加点に盛り上がる観客。


日高自身も気持ちが高ぶる。


だが、


シュートを決めた日高でさえ、


何故シュートが入ったのかがイマイチ理解できないこの状況。


それはまだ、


日高が手の視点を完全には理解できていなかったから。


入るわけもないシュートが入る。


その感覚こそが、


サイドシュートの極意。


手の視点。


今、


日高はサイドプレイヤーとして大いなる一歩を踏み出していた。

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