《MUMEI》 case.2 大志磨優子の場合その頃――… 都内某所にあるワンルームマンションの一室で――… 一人の小柄な女が、フローリングの床にぺったんこ座りしながら、手酌で酒を煽っていた。 女の名前は、大志磨優子――… 人気絶頂のアイドルグループ…A?B48の主力メンバーだった。 優子は芋焼酎のボトルを逆になるほど傾けて、最後の一滴がしたたり落ちるまでグラスについでいる。 「あ〜ぁ、今夜も一本開けちゃった…。」 優子はグラスに氷を足すと、マドラーを軽く回しただけで、早々にそれを唇に運んだ。 そしてグビリと喉を鳴らすと――… 「ぶはぁーッ!」 甘い酔香の混じった吐息を洩らすと、オヤジのように手の甲で口を拭った。 前へ |次へ |
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