《MUMEI》
トキメキ?
もし出来るのであれば1日だけでも、少しだけでも時間を戻したい。
もし変えられるのなら、今を変えたい。人生を変えたい。


私は毎日思う。もう嫌と。
「・・り。あんり。闇人!!しっかり!!」
叫ぶ玲奈の声がする。きっと、私はもう終わるのだ・・・
「しっかりしなさいよ!!闇人!!」
叫ぶ玲奈の声でもが開く。
「闇人!!気がついた?」
「ここどこ?私はなんでここに?」
「あんた大丈夫?」
「気がついたかい?闇人君大丈夫かい?」
優しく話しかけてくる保健の先生。
「ほら、謝りなさい。」
まだ、他に人がいるの?
「なんで要が謝んなきゃいけないの?イミフ!!」
ああ、要か。はぁ〜とため息をついた私に気がついたのか要が近付いてきた。
「あんたが悪いんでしょ。連に色目使うから!!」
「あのね、闇人は連に興味ないし、あんたと違って、色目なんて使わないよ。」
要に対抗する玲奈。玲奈、それってフォローできてない気が・・・
「はい、ストップ。ケンカは外で。」
二人を止める気なくとめる先生。
「要君。もう問題起こすんじゃないよ。」
「うるさ〜い!!」
要を無理やり外に出す先生。
「闇人ごめん。またムキになっちゃった・・・」
「ううん。ありがといつも」
玲奈は私にとっての大切な親友。いつも隣にいてくれる頼れる存在。
「玲奈が謝らないで。こっちこそ、いつもごめんね。」
「しょうがないよ。要が悪いし。ってか、階段から落とすなんてひどいよ!!」
「ははは・・・。確かに命が危ないよね。」
笑ってごまかす。
「どこか痛くない?病院行かなくて大丈夫?」
「大丈夫!!どこも痛くない。」
ホントは吐き気や頭痛がひどいけど・・・
「要さ、どんだけ蓮のこと好きなのさ。」
「だって、挨拶が付き合ってだもん。」
二人で笑ってると、急に大樹が入ってきた。
「・・・り、・・・ぶ?」
息が荒いせいでちゃんと喋れてない大樹。
「橘、いったん落ち着きなよ。」
笑いながら大樹を落ち着かせる玲奈。
「闇人、大丈夫か?松島が階段から突き落としたって聞いたけど。」
「大丈夫。心配してくれてありがと。」
「お、おう・・・」
「橘、何照れてんの。」
大笑いする玲奈。大樹の顔が赤くなる。
「照れてねぇし。闇人が大丈夫ならいいや。んじゃ」
また、走って階段を駆け上っていた。
「闇人、橘さ絶対闇人の事好きだよ。」
「絶対ない。」
そう笑っていると一人の男子が入ってきた。
「蓮君、すまないね〜。ちょっと手伝ってもらえる?」
「別にいいですけど。」
「これ運んでくれるかい。」
先生と蓮くんが段ボールを運んでいる。
岡崎蓮。要が片思いしている人。女子のアイドル。
「なんかさ〜、岡崎って無表情すぎない?」
つまらなそうな顔をする玲奈。
「ちょっと、闇人聞いてる?」
私は玲奈の話を聞いていなかった。それは私の胸が熱くなったから。
熱く・・・。



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