《MUMEI》

隼斗は無言のまま、海月の話をじっと聞いていたがどうしようもない感情に押し潰され、海月を抱きしめていた―。


「―隼斗…」
海月は久しぶりに人の温もりを感じた―。それも、自分が大好きだった―隼斗の温もりを…
それとは逆に隼斗は海月にはもうかつての温もりがないことを感じていた―。
海月を抱きしめる腕に、思わず力を込めた―。

海月はそれに応えるように隼斗の背中に腕をまわした。


そして、暫くしてそっと腕を解くと―隼斗の額に小さく口づけをして、

「ありがとう…。隼斗くんの幸せをずっと祈り続けるわ。…それと、猛くん、美紗子ちゃん、愛ちゃん、純くん、和馬くん、6人がずっと仲良しでいられるように、ずっとA幸せでいられるように。」

静かに…でも、しっかりとした口調でそう言うと、海月は隼斗を見つめたまま立ち上がり、ゆっくりと海へ向かって歩いていく…。

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