《MUMEI》

     観客席



「うめぇッ…!!」



ザワザワ…



「いちいち騒ぐなみっともねぇ。」



ザワザワ…



「いやでもレベル高いよ今の。」



ザワザワ…



「んなこたわかってんだよ。」



ザワザワ…



(鳥肌が立った…
この俺が、あいつに。)



ザワザワ…



にやっ…



ザワザワ…



(上がって来い…ちびすけ。)



ザワザワ…















………………………………



    コート



(手の視点…手の視点…)



バスッ…!!



「手のしてえぇんッ!!」



(…は?)



「ナイッシューッ!!!!!」



関谷のサイドシュートが決まる。



13対11。



「俺にもコツがつかめたッ!!」



「あははッ!!ナイッシューです関谷さんッ!!」



自軍コートへと戻る赤高。


その表情は明るく、
希望に満ちていた。



「ちっ…」



対象的に、
連続得点を許した秀皇の心中は穏やかではない。



「油断した…」



「スピードだけに自信がある…ってわけでもないわけか。」



「…おもしれぇ。」



「は?」



「向こうがその土俵で勝負して来るってなら、


こっちも同じ。


サイドプレイヤーとしてどっちが上か、


思い知らせてやる必要があるな。」



「…うし。」

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