《MUMEI》

「気持ち切らすなッ!!」



ベンチから叫ぶクロ。



「想定の範囲内だ。」



「…おす。」



選手たちはコート中央へと向かう。















………………………………



………………………………



   赤高ベンチ



「全く…」



「いや、だけどクロさん…」



「何不安そうな顔してんの?」



「同点…ですよ…?」



「知ってるけど?」



「それが想定の範囲内なんですか…?」



「…相手は秀皇。
流れに乗られりゃこんなケースもあり得るさ。」



「うぅ…大丈夫なんすか…?


タイムアウトだってもう使っちゃったし、


向こうの攻撃全然止めれてないっすよ…」



「タイムアウトを早めで使うのも予定通りだし、
向こうの攻撃シリーズを止める策はちゃんとある。」



「え!?そうなんすかッ!?」



「ま…それでもやっぱ頼みは村木になんだけど。」



「なんすかそれッ!!
ホントに大丈夫なんすか!?」



「大丈夫。後は…」



「……?」



「あいつらが僕の期待に応えてくれるか…だ。」



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