《MUMEI》 奴が夜に来ないのは、なぜか分からない. 昼のほうが人通りがいいのに、 夜、人通りが少ないときに来ないのはなぜだろう…? 別に夜も来てほしいというわけではない. ただ、不思議になっただけだ. 7:30…. 人々は、温かい家族と一緒に 食事をしているだろう…. まぁ、別に家族と食事をしたいなんて思わない. 家族で食べるのと一人で食べるのは同じだ. 同じ…なのに どうしてこんなにむなしいのだろう…――. 本当は心の底からうらやましいなんて思っているのかもしれない. しかし、そう思っていても 一緒に食事してくれる人なんていやしない. 「「ゴロゴロゴロッ………ドッシャーン!!!!」」 すさまじい音が響きわたった. …なんだ雷か. 少しは驚いた. でもこんな年にもなって怖いとか言ってられない. 「「コンコンッ……」」 雷の音とは別に、 ノックの音が、樹紀の家に響いた. 一体、夜に何の用だ…――? 前へ |次へ |
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