《MUMEI》
君の目覚めと…
俺は今まで「生きる」ことになんか興味はなかった

そんな少年マンガみたいなセリフもヘドがでる

自分で自分がいやになる

なぜ自分が生き返って「しまった」のかわからない

「あの日のことを少し話そう…信じなくてもいい、信じるやつは異常だ」

俺は昔から人生に覚めていた

こんな腐った世の中なんてどうでもよかった

ただ死ぬのは怖い…

ただただ毎朝あきもせず同じような毎日を同じに過ごしていた、それで満足だった

あの日俺はいつもどうりに過ごしていた、ただひとつ違うのは通り魔だ

あいつは異常だった

無骨なつめたい包丁が俺を刺した

「グぅッ!?」

一瞬だった

何がおきたのかわからなかった情報を把握するのに時間がかかった

それは永久にも感じたが瞬きよりも早く血が吹き出した…

「痛いのか?………痛い…痛い……痛い痛い痛い痛い痛い痛いうぅぁぁぁぁぁごわぁぁぁ」

それは声にもならなかった声だった

声にもなれない声はただのうめき声になった

いまにも泣きだしたい、できることなら投げ出したい痛みだった、助けてほしい惨めなのはわかってるけど命乞いをしたかった

ただその刹那、体がかるくなった…意識が遠くなった

目の前が真っ白になったが俺は少し…いや、かなり異常だった刺されたあと俺は笑っていた

この腐った世の中からさよならできる、自分では怖くてできなかったことを、こいつは変わりにやってのけた

…怖かった怖い

そんなことを考えていると暗く光がない道の上にいた

…何日歩いただろう

不眠不休で1年は歩いた気がした

光なんてあるわけないし、あるなんて思えない道をひたすら光を探して歩いた

すると誰かがおもいだした、もう忘れてしまった、きっと君も忘れている約束を…

「約束を守らなくては」
声にもうめき声にもならない「音」で呟いた、無理もない、なにも食べてないのだから

覚えてもいないけど、かなり大事な約束を守らなくてはと呟いたとたんに眠たくなった…

「約束…やっぱりヘドがでる甘ったる言葉だ…」

だけどそれだけが救いだった
生きるためにはそれしかなかった

いつの間にか眠っていた…

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