《MUMEI》
not style(2)
     コート



「ハンズアップハンズアップッ!!」



「ここは死守すんぞッ!!」



これまでにも増して声の出る赤高。


秀皇は追い付きたい場面ではあるが、


思うように切り込めない。



「はぁ……はぁ……」



この時点で秀皇は、
1つのミスを犯していた。



(しくった…)



そのミスに、
いち早く気付いたのはセンターだった。



(相手のペースに合わせる義理もないし、


ここはじっくり行こうかと思ったけど、


ここは勢いに任せて展開早くいくべきだったか…?)



そう。


流れに乗りつつあったとはいえ秀皇はあくまでも追う立場。


まだ逆転もできていないこの場面で勢いを緩めるようなプレーを選ぶべきではなかった。


ペース配分を考える余裕など、


あるはずもなかった。



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



(パスが無駄に長くなってる…)



薄々とそれに気付き始めた選手たち。


疑惑は確信へと変わり、


早く打たねばという焦りが生まれる。


結果攻撃のリズムは狂い、



キュキュッ…!!ダッ…!!



策もなく打たねばならない状況が生まれる。



「村木ッ!!」



右サイド。
要大地のサイドシュート。



(もう…)



バシッ…!!



(そのスピードには慣れた。)



村木はシュートを止める。

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