《MUMEI》 赤高ベンチ 「あ〜おしいッ!!」 スコアブックを片手に試合を見る佑香。 「せっかく村木先輩止めたのに…」 「ま…今の戻りは向こうが上手い。」 クロは単純に市原のプレーを評価していた。 「後半続けて得点されてたから心配だったけど、調子が悪いわけでもなさそうだな。」 安本がクロに向けて話す。 「村木のことすか?」 「あぁ。」 「あんだけのシュート打たれりゃ村木も苦戦しますよ。」 「の…割りに前半は止めてたな。」 「前半のシュートとは別もんすから。」 「…別もん?」 「気持ちが乗ってる分後半の方がフォームに隙がないです。 一連の動作に無駄がないというか… ジャンプ・腕の振り・リリースのタイミング。 細かい動作1つ1つをしっかりやってっからいい具合になってんす。 前半のシュートが85〜90点くらいの出来だとして、 後半のシュートは90〜100点くらいの出来ですね。」 「よくわかんないけど… その差はでかいもんなのか?」 「数字だけだとそんなに差があるようには思えないですね。」 2人の会話に割って入る佑香。 「どっちもテストなら評価5になるし!!」 「…まぁね。 実際前半だってちゃんと点取ってたわけだからそう大きく変わった感じはしないかもしれないけど、 少なくとも村木の目には別もんに見えてるだろ〜ね。」 「あ…なるほど。」 「んでも今のを止めたあたりを見ると、 前半と後半のシュートの違いに慣れてきたっ…て感じなのかな? わっかんね〜けど。」 「きっとそうですよッ!!」 「…だと、いいけどね。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |