《MUMEI》 オカマ(陽菜)の嫌味な笑い声が、まだ莉乃の耳奥に残っている――… 「あんのオカムァアアアアーー!!! いつか殺すーーー!!!!」 ――…コアアアァァアアアアア〜ンッ!!!! 莉乃の怒りと呼応するように、Kawasaki・ZRX(族車仕様)のエンジンが唸りを上げる! 先の総選挙で9位にジャンプアップしたとはいえ、まだオカマよりも順位が下という現実は、莉乃にとって耐えがたい屈辱だった。 「待ってろ!オカマ!! 今度のジャンケン大会で、テメェを必ず引きずり降ろしてやる!」 莉乃の雄叫びとともに、ZRXは街道を南へと爆進してゆくのだった――…! : : 前へ |次へ |
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