《MUMEI》 : : いつの間にか、夜が明けていた――…。 由紀は恍惚の表情でベッドに横たわり、キッチンにいる男の姿を目で追いかけている。 男は冷蔵庫のドリンクで喉の渇きを潤すと、ベッドに残した裸の女に視線を戻し、呆れたように笑った。 「まったく……お前のファンが見たら泣くよな?…きっと(笑)」 「え〜、だって私のファンがどう思うかなんてカンケー無いじゃん…… …私のカラダは○○(男)だけのモノだもん…(笑)」 由紀はそう言うと、男の匂いが染み付いたクッションに甘えた。 「オレ、お前のファンに刺されるかもな…?」 「え〜、そしたら私も死ぬぅ…(笑)」 (面倒くさい女だな…) …男は思った。 前へ |次へ |
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