《MUMEI》
釘付け
　　〜田中視点〜


観覧車が来るのを

待っていると

西村くん(優斗)が

｢他の所行こっ｡｣と言った｡

私が理由を聞いても

はぐらかされた｡

[香奈が西村くんのこと好きだから

２人きりになっただけでも気まずいのに･･･

２人きりで別行動なんかしたら

もっと香奈に悪いし｡

だから観覧車から離れるわけにはいかないよね｡]っと考えていると

｢俺さぁ･･･

ふれあいパークに行きたいんだけど･･･｡

ダメかな？｣っと西村くんが聞いてきた｡

[ふれあいパーク･･･

わぁ〜♪行きたいよ〜｡

でも香奈が･･･

でも羊さんとの触れ合い･･･｡

うぅ〜｡どうしよう｡]っと考えているうちに

｢翔にメールしといたから｡｣っと西村くんが言ったので

選択肢は１つしかなかった｡

ふれあいパークに

着くと､可愛い羊さんが

いっぱいいて

テンションハイになっちゃった♪

｢早くこっちおいでよ♪

羊さん可愛いよ〜♪｣と私が言っても

なかなか西村くんは

こっちに来ない｡

私は｢はい｡これ羊さんのえさだよ♪｣とえさを

西村くんに渡すが

来ない｡

仕方ないから

私は､西村くんの腕を

ぐいっと引っ張って

羊さんの前に

持っていった｡

すると西村くんは

今までと打って変わって

満面の笑みを浮かべて

羊さんにえさをあげ

なでなでしだした｡

私は､西村くんの

心からの笑顔に

釘付けになってしまった｡

前へ |次へ
作品目次へ
ｹｰﾀｲ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫