《MUMEI》

「マグレ出たぁッ!!」



「実力だッ!!」



「マグレッ!!マグレッ!!」



「変な喜び方やめろッ!!」



ボソッ…
「ロトシックス…」



「買わねえよッ!?」



盛り上がる赤高陣とは対称的に、


秀皇は心中穏やかではない。


赤高はそう複雑なプレーを仕掛けているわけではない。


が、


肝心のシュートを止めることができない。


事態は深刻。


何よりも、



(どうなってんだ…あいつ…)



ここまで秀皇を支えていた守護神が崩壊寸前。


ここはまさに、
秀皇にとって極地といえた。


当然、


そんな上野の様子はフィールダー同様にベンチにも伝わり、


その流れを断ち切るべく、



「…タイムアウトだ。」



ベンチが動く。



「ビーッ!!」



「?」



「タイムアウトですッ!!」



時計が13分を回った頃、
その針は1分の間止められる。


秀皇。


最後のタイムアウト。

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