《MUMEI》

     観客席



ザワザワザワザワ…



「やるじゃん沖ッ!!」



ザワザワザワザワ…



「何で最初っから出ね〜んだよッ!!」



ザワザワザワザワ…



「もったいぶってんじゃね〜よッ!!」



ザワザワザワザワ…



「つ〜かケガは!?」



ザワザワザワザワ…



「ハッタリだったんじゃね〜の!?」
※正解。



ザワザワザワザワ…



「何にしても…」



ザワザワザワザワ…



「このまま行けんぞ決勝〜ッ!!!!!」



ザワザワザワザワ…















………………………………



………………………………



    秀皇ベンチ



「どうやら…向こうにとってあのポストが切り札だったと見えるな。」



円陣を組んだ状態で秀皇監督が話す。



「たかが3点取られただけだろ。」



反論する要(義人)。


そう思われても仕方のない内容だった。


近距離から打てるポストからのシュートであれば成功率も上がる。


たまたま取られた3点。


そう考えても何ら矛盾はない。


が、


秀皇監督はそうは考えてはいない。



「じゃあ聞くが上野?


あいつのシュート。


止めれる自信があるか?」



これ以上ない程極端でストレートな質問だった。


答えはYESかNO。
実に単純な二択問題。


だが、



「…」



上野は答えることができない。



「きゃ…キャプテン…?」



沈黙。


それが事態の深刻さを物語っていた。

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