《MUMEI》 \/\/\/\/\/\/\/\ 暫時後―――… とあるテレビ局の控え室で一人、鏡に向かう人物があった。 ―――…ゾリ……ゾリゾリ…… その人物は女の容姿をしながら、髭剃りで肌を撫でている。 「所詮アタシはニューハーフ… …でも、そこらの安っぽいオンナには(美貌で)負けない自信があるヮ…。」 在日タイ人U世ハール・ナコジーマ・タマナッシ……またの名をアイドル・児嶋陽菜は、剃り残しがないか丹念に確かめながら、鏡の中の自分に語りかけていた。 「…だけど―――…」 ――――…ゾリ! 陽菜はT字カミソリを肌に止めて、シェービングクリームだらけの顔で振り返る。 陽菜の視線の先には、A?Bの新曲「Everydayガーターベルト」の販促ポスターが貼られていた。 そのセンターポジションには、燦然としたオーラを纏う前田圧子の姿があった。 「無理ょね……。 悔しいけど……この娘だけは特別…。 …どんなに美貌を磨いても… …この娘には絶対に勝てない…。」 ニューハーフの頬に、ひとすじの悔涙が流れた――…。 : : \/\/\/\/\/\/\/\ 前へ |次へ |
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