《MUMEI》

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その頃―――…

この日オフの大志磨優子は、自宅でぼんやりとテレビを観ていた。


ちょうどA?Bがイメージキャラクターをつとめる、グミ入りキャンディーのCMが流れているところだった。


「あ〜ぁ、アタシって何でこの前の総選挙で1位になっちゃったんだろ?」


優子は鼻をほじりながらポツリ呟いた。


視線の先には、水着姿で「Everydayガーターベルト」を歌いながら、躍動する前田圧子の姿があった。


「どぉー…してもセンターに立ちたかったから、全財産はたいて組織票を調達したけど…。

…所詮、アタシにセンターなんて務まるワケ無いんだょねー…。」


優子は鼻クソを指で丸めながら、前田圧子に有って自分に無いモノを実感する。


「…アイドルの“器”かぁ…。」

―――…ピンッ!


丸められた鼻クソは指で弾かれ、どこかへ飛んでいった。


「やっぱ、アタシごときが……あっちゃんを越えるなんて、大それたこと考えちゃいけなかったんだ…。」


三十路も間近に迫った女は、いつまでも後悔にさいなまれていた――…。


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