《MUMEI》

青い空、白い雲、

ゆずの歌詞じゃないけどまさにそんな夏の季節、


僕は東京からある小さな町に引っ越すことになった。










父さんが子供の頃育った町だそうだ。

山に川にあと一面広がる田んぼ












なんで急遽そんなとこに引っ越しになったかというと………………












■□




-1週間前-










「………引っ越し?」

「そう引っ越し」

「……………………」











母さんはさも当たり前のように答えた。

僕は呆気にとられ5秒程度頭が真っ白に











「え?ちょっ、嘘だよね?冗談だよね?」

「こんな冗談言ったってなんになるのよぉ」

「……………本気?」

「うん。ね、お父さん」

「あぁ、多分来週あたりかな―」

「早ッ」












呑気な親共につっこむ




パタン、と読みかけの本を閉じて父さんに顔を向けて










「引っ越しって僕、学校とかもあるし…どうしてそうなったか説明してほしんだけど」

「学校は引っ越し先の高校に転校、理由はな………お父さんとお母さんが田舎暮らしをしたいからだ!」








間。











「はい?」







何いってんだこのオッサンは










「もう窮屈でな、このコンクリートジャングルな都会に。もう歳だしお母さんと話し合った結果思いきって実家帰りをしよう!みたいなことになってなぁ、ハハハハ」

「今の状況で笑わないで、殺意が芽生えそうだから。僕や廉(レン)の意見とかは無視なわけ!?」


「……………………マイナスイオンいっぱいだぞ―川にいる鮎は最高だし」
「なに洗脳させようとしてんの、騙されないよ」

「チッ…でも親の言うこと聞くのが子供だ、いいな?」






――――――最悪だ








そして一週間後、

なかば無理矢理つれていかれた…。

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