《MUMEI》

 





とうとうやって来た









「はい、お弁当!」

「……母さんが作ったやつ?」

「ちがうわお婆ちゃんよ♪」

「あ、だったら問題ないか」
「どうゆう意味だコラ」











今日は僕の転入初日、

別にワクワクといったことではない



ただ期待するのは……

水野郁 彼女がいるかどうか、










弁当を鞄に詰め玄関に向かう









「気を付けてね?」

「うん」

「知らない人に着いて行っちゃダメよ?」

「母さん、僕を何歳だと思ってるの」

「冗談よぉ。行ってらしゃ―い」

「はぁ、言ってきます」









あ、またため息だしてしまった。




もう癖だなこれ……









玄関を出てスタスタと歩き出した


何処からか鶏の鳴き声が聞こえてくる。いやにリアルだな……











■□






〜1時間後〜







「はぁ、はぁ、はぁ、ゲホゴホッ」








と、遠い。

やっと着いたが虫の息





都会の人間の体力は落ちていると言うがまさにその通り、






キツい。











-関ヶ岡高校-



そう書かれている門のところで息を整える菜月、そして唖然とした。









「も……………木造校舎………」









いつの時代だ。

いやまず廃校してないよな?








古びた校舎は重々しくその存在を浮き彫りにしていて人がいるのか不安になってくる…。










「………………とりあえず、行くか」








その選択しかない菜月は校舎に一歩足を踏み入れた………









 

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