《MUMEI》

洗練されたきめ細な肌に、無駄の無く筋肉がついている。
付き過ぎず、決して華奢でもないが、どこか昔の子役時代の無垢な儚さやあどけなさが残っていた。
母親似の美貌からも彷彿とさせているのだろう。

元々が色白なせいで、顎と首の境目に一つある黒子が浮き立ち、幼さより妖艶さが際立つ。
光を捉えたのはここまでだ、あとは目隠しをされててしまう。

「カメラを……回してるんですか」


「そう、演技でも上手く喘いでね。」

米岡と光の会話が一々歯を軋らせる。


「見られるの好きだろう。」

米岡が俺が、最も苛立つ言葉を選んでくる。


「興奮しますね……。騎乗位も。」

変態の趣向だ。
目隠しだと、普段より聴覚が鋭敏になる。
騎乗位だって、顔がわからないし、こっちは全然楽しくない。
ベルトを勝手に外しはじめ、ボクサーパンツの上から手の平で、根本からこねくり始めた。


「ふ…、」

唾液を含んだ唇が、雁首に触れてくる。
どちらが鳴いたのか、わからないように吐息が合わさった。
珠玉を舌で転がし、吸い上げて、口腔でむしゃぶりつく。

「ふー…っ…ジュ…ふうぅ…ジュッ……・ジュルッ…んっ」

卑猥な音と熱っぽい吐息が重なると、光は今きっと欲しくて堪らない顔をしているのだろうと伝わってきた。
正直、前戯は本番前の準備運動にすぎない。
光のその、顔や息や声や皮膚の温度が俺にとっての欲情対象であるからだ。
前戯で乱れ飛ぶ光を前にするからこそ、興奮する。

「脱がしてやって。」

米岡の第三者の介入にいらついた。
言われるがまま光が従うことに、なにより苛立つ。

容赦なく、光が服を剥いでゆく。
腕で袖は止まっているが、上も下も無い状態になって、跨がれる。


俺の腹に片手を落とし、器用にもう片手で、自分の濡れた鈴口から掬って後孔を解した。


「肌、綺麗ですね。」

頭上から、米岡の気配がする。
俺の領域を踏み荒らされ、無性にぶん殴りたくなる。


「ん……。も、入れる……」

光はこちらに集中していて、既に心そこにあらず、の状態だ。

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