《MUMEI》

コートに集まる両校の選手たち。



「いちは…」



「ん…?」



後半は秀皇ボールから始まる。



「な………」



中央でボールを受け取ろうとする市原。


名前を呼ばれセンターの顔を見ると、


視線は自分より奥を指しており、


つられた市原は振り返る。


開戦を告げる審判の笛を待たずして、


事態は大きく動いていた。














………………………………



………………………………



     観客席



ザワザワザワザワ…



「お…オールコートマンツーだと…?」



ザワザワザワザワ…



赤高は中央ラインのすぐ向こう側で、


極端な前形ディフェンスを取っていた。


それはつまり、


オールコートマンツーの準備。



ザワザワザワザワ…



「13分過ぎ…」



ザワザワザワザワ…



「残り17分だぞ…?
さすがに無茶じゃね〜か…」



ザワザワザワザワ…



「いや…クロならやりかねん…」



ザワザワザワザワ…



「前半からオールコートマンツー指示した試合もあったし…」



ザワザワザワザワ…



「あのやろぉ…
やってくれるじゃね〜か。」



ザワザワザワザワ…















………………………………



………………………………



     コート



「…」



(俺たちの攻撃を止めれないと踏んでのオールコートマンツー。


確かに…


そっちの方が可能性はあるわな。


とはいえ…


普通に考えて勝ってるチームがこの時間でやるようなプレーじゃねぇ。


勝負に…来やがった。)



「ピッ!!」



審判の笛が鳴る。



「…受けて立つ。」



残り17分。対秀皇。



「うおぉぉぉあらぁッ!!!!」



終了まで止まることのない最後の時間が動き出す。

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