《MUMEI》

     コート



ヒュッ…!!



「日高さんッ!!」



ヒュッ…!!



「ユキッ!!」



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



「峰田ッ!!」



赤高の攻撃はマッハクロス。


絶えず動くその足に秀皇ディフェンスは翻弄される。



「くっ…!!」



「沖ッ!!」



「椎名ッ!!」



合間を入れず繰り出されるリターンパス。


椎名はディフェンスの裏をかき好位置でボールを受け取る。



「とりゃッ!!」



ちっ…バスッ…!!



椎名の放ったシュートは上野の手に触れるも、


ここは力が勝りごり押す。



「ナイッシューッ!!!!!」



後半14分51秒。19対16。



「はぁ…はぁ……くそッ!!」



ボールは秀皇。


休む間もなく攻撃へ移る。














………………………………



………………………………



    秀皇ベンチ



「…上野の動きが悪いな。」



「ポスト以外のシュートは止めれんじゃなかったのかよ…」



「そのポストの残像が頭から消えないんだろ。


余計なことを考えてるから反応が鈍るんだ。


何でかはわからんが向こうのコーチは上野とあのポストの相性を見抜いてたらしい。


それをここまで隠してた向こうを称賛するしかないな。」



「…」



「ここは正念場だ。


上野の動きが戻るまで何とか点差を離されずにいれば必ず勝機はある。


…それまで大地たちがどこまでやれるか。


ポイントはそこだな。」



「…」



………………………………

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