《MUMEI》

バンッ…!!



「っ…!?」



中央突破。


そう見せ掛けた椎名はそこからのバウンドパス。


幾度となくやられているはずのその動きに、


秀皇は未だ対応することができない。



ドクンッ…!!



高鳴る鼓動。


この一瞬の間に、


言葉では言い表わせないほどの重圧が上野にのしかかる。



(集中しろ…)



ドクンッ…!!



(ここで止めれば…)



ドクンッ…!!



(勝利は大きく近づく…)



ドクンッ…!!



「俺が決めたらぁッ!!」



ボールはポスト。


沖へと渡る。



ドクンッ…!!



(体勢が悪い!!体も流れてる!!)



ドクンッ…!!



(これなら…止めれ…)



「え………」



ギュルルルルルルルッ!!!!!



(何だこ…)



「うっ…!!」



バスッ…



(れ…)

















………………………………



     観客席



「な……」



静まり返る会場。


そして…



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「すげぇぇぇッ!!!!!!!!」



爆発。



………………………………














「ナイッシューですッ!!」



「どわっはっはッ!!」



「まぐ」



「言わせね〜よッ!?」



沖の新シュートに会場は爆発。



「た…はははは。」



クロも脱帽の見事としか言い様のないシュートを、


沖はこの場面でやってのけた。



(やって…くれるねぇ…)



後半16分09秒。20対17。

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