《MUMEI》
初恋ノ始マリ。
わたしは林野さんと、図書館をでた。

林野さんに選んだ本は

わたしの好きな、短編小説。

だって、林野さんが、

「蛍歌が好きなのでイイ」っていうから。

短編のほうがきっと

読みやすいだろうし。

林野さんは、普段は本

読まないんだって。

おもしろいのにね?


林野さんは、とても 打ち解けやすい人。

なんてゆーか

何色とまぜても 綺麗な色になる

人気者の、絵の具みたいな人??

だったら、白かな?

わたし、美術部だから、こんなたとえ

してみたけど 普通にわかりにくいなぁ。

どんどん、ひきこまれていって しまいそう。



さっきいきなり、下の名前でよばれて、ドキドキした。



このまま別れちゃうの、さみしいなぁ…。

心の中に、すぅっと涼風がぬけていく。

はじめての、きもち。

男の子に、さみしい、なんて感情いだいたこと、今までぜんぜん

なかったのに。

とまどいで、体がむずかゆい。

このままもう、話すこと、できないかもしれない。

チクリ、と 小さな痛みがかけぬける。


そのとき、林野さんが わたしを呼んだ。

「明日、1時に ここなっ!! わすれるなよっ!」

空は澄んだ、オレンジ色。そこからこぼれる、うすきいろのような、

金色のようなひかりを背負って

君の笑顔はいっそうに きらきら、きらきら。

はじめての、約束。

気づくときみは、答えも待たずに、かえっていってしまったけど。


トクンと大きく鳴り出す心臓。

心からあふれる、あまい感情。

わたしはしばらく、そこにいた。

初恋の、始まり。

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