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《MUMEI》 秘密ノ場所デ二人キリ。その日の夜、わたしは林野さんのことでいっぱいいっぱいになっていた。 ふぅ、とためいきをついてみたけど それさえも、体中が 満たされていく気がして とまどった。 これが、幸せのため息ってものなのかな。 でもその不思議な感覚を わたしは 嫌とは思わなかった―。 次の日 待ち合わせしていた所に 5分前に行くと すでに林野さんがいた。 ビックリ。 遅れてくるタイプだとおもってたのに。 そういったら、おこられちゃったけど すぐに笑顔で わたしの手を引いた。 きらきらした光が私たちを照らして 自然に、わたしも笑顔に なる。 「どこいくの?」 「秘密っ!!」 得意げな表情。体全部が 熱を帯びて。 つないだ手も 驚くほど、熱い。 「ついた。」 …わぁ そこは、ちっちゃい林。 わたし達だけが、知ってるみたいに感じる 秘密の場所。二人だけの場所。 その中に、ぼろぼろのテントが張ってあって そこで、おしゃべりした。 「このテント、拾ってきて ひとりでたてたんだ」って 林野さんは、はなしてくれた。 学校のこと、学科が違うから、だいぶ違ったりして 部活のこととか 宿題のこととか 普段のこととか。 いろんな話。 二人きりで、邪魔するものは なにもない。 もっともっと、このまま君といっしょにいたい。 ふたりで 話していたい。 時がこのままわたし達だけを残して とまってしまえばいいのに――――……。 前へ |
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