《MUMEI》

奴は俺より父と母を知ってると言う.
まさか…―そんなわけ…―.

「お前は、父と母がどのように死んだって聞いたか?」

「…交通事故」

「やはりな….お前の父と母は交通事故とで死んだのではない.戦って死んだのだ.」

「…戦って…?」

…戦って死ぬなど、時代劇でもあるまいし….

「お前の、父と母は王家.お前のその子.だから、お前は王なのだ…―.」

「漫画じゃない.そんな話が通じるわけない.」

「どうかな….お前の能力こそが証しだ.」

あ….
確かに.これなら話があう…―.
なんで奴はこんなにくわしく?

「お前は、父と母のことを俺よりも知っているか?」

「そうだな.」

「…中に入れ.詳しく話をしてくれ.」

「やっとその気になったか.」

悪いやつではなさそうだ.
奴は本当に父と母を知っている…と思う.
こんなチャンス…今だけだ.


「「ガチャ…」」

樹紀は、鍵を外した…―.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫