《MUMEI》
一目でいいから
途中進路変更して水瀬に会いに行った。

部活動の帰りみたいで、ジャージを着た彼女は先に待ち合わせの公園のベンチで体育座りしている。


「わ、ホントに今帰って来たんだ。」
暫く見ない間にまた大人っぽい落ち着きをみせている。


「お土産明日ね」
荷物を足元に置いて隣に腰掛ける。


「……整理ついたの?」
彼女の見透かしているように大きな瞳にぐっと引き込まれた。


「 うん。

やっぱり、俺達終わりなんだね。水瀬の顔見たらすんなり納得出来たよ……




ねぇ、飴食べる?」
最後の一粒を差し出す。

水瀬の掌に転がったそれはレモン味だった。

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