《MUMEI》
 Story.1 : 馬鹿なのか?
高校に入学して約一ヶ月。

G.W.も終わって、クラスにも馴染めてきた頃。

友達も出来たし、それなりに充実した学校生活をおくっていた。


「ねぇ、愛香〜」

「なーにー?」


ちょっと化粧が濃いめの亜希が鏡で、つけまを確認しながら私に話し掛ける。

亜希を見ながら、カラオケ大好き梨華子はため息。


「あんたさあ、人に話し掛ける時は鏡見んなって何回言えば分かる?え?」

「梨華子、いきなり怒らないでよ!ねぇ、愛香〜」

「いや、私もどうかと思うよ、うん」


ナルシストではないと思うんだけど、鏡ばっかり見てる亜希。

そんなに気になるかね、今、つけまがどうなってるか。


「それより愛香っ!」

「それよりって…」

「彼氏ほしくなーい?か・れ・し!」


いきなり何を言い出すかこの子は全く。

梨華子はまたまた、ため息。

こんなに性格が違う私達が仲良くなった理由は、未だに分からない。

ただ、3人とも"友達つくらなきゃ"ってことで必死だったんだ、多分。

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