《MUMEI》 ガラガラっと古びた音と共に担任が教室に入ってきた。 手には何やら、くじ引き的なもんを持っている。 ん?ん?何すんの、今から。 「よーし、今から席替えすっから、学級委員は黒板に座席表書いてくれー」 「「「席替え〜っ!」」」 うわ、うわ!何よ、何よ! 高1が席替えで普通こんな騒ぐ!? …っと思ったら、隣で亜希がはしゃいでいた。 梨華子はため息しながら、化粧直し。 …てか席替えなんてめんどくさいし、やらなくていいのに。 そして、学級委員二人は何故あんなに楽しそうに座席表書いてんだ。 席なんて一番前じゃなければどこでもいいよ、うん。 「3人共席近いといいねっ♪」 「私はやだ。愛香と近くは全然いいけど、亜希は五月蝿いから嫌だ」 「梨華子ひどい〜っ!」 確かに、亜希は四六時中うるさそうだからなあ。 私たちが返事しなくてもベラベラ一人で普通に喋るし。 前へ |次へ |
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