《MUMEI》

「じゃあ、一番右側の奴らからくじ引きに来〜い」


一斉に席を立つ生徒たち。

席替えで喜べるなんて、まだまだ純粋。

…いや、みんなもしかして一番後ろになりたいだけ?


ふと、黒板に目を移す。

…窓側の一番後ろは…、15番ね、15番。

で、隣は10番か。

窓側の2列だけ座席数が多いんだ。

じゃあ、15か10が1番目立たなくて楽で寝れんのかな。

15、10を狙おうかな。

まあ、くじ運悪い私が引けるわけないけど、うん。


「私〜、矢崎くんの隣がいいなあとか思っちゃう♪♪」

「え、亜希、矢崎狙いなの?」

「梨華子ったら〜!違う違う!ちょっと仲良くなりたいだけ!」

「…それって狙ってるうちに入るんじゃないの?あ、私取りに行かなきゃ」


梨華子が席を立つと、亜希も梨華子の後を追う。


「愛香も!ほらおいでっ」

「私まだなんだけど…」


まあいっか。

どうせ引く時は前行かなきゃなんだし。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫