《MUMEI》 一瞬、顔が歪んだ気がした。 いや、別に嫌な訳じゃないんだけども。 「あ、隣、山崎さん?」 低いハスキーボイスで、私にそう聞いたのは紛れもなく…。 「や、矢崎、くん…」 そう、矢崎健太だった。 …嘘、嘘、嘘でしょ。 よりによって、唯一の隣が矢崎健太? 仲良く出来る気がしない…。 亜希と席を交換してあげたい。 「なーに、そんな嫌そうな顔しちゃって!何、何?この前あんな見てたのに、俺の事嫌い?」 「…見てたっけ、あんたのことなんて…」 …あ、亜希が"矢崎くんかっこよくない?"って聞いてきた時か、多分。 でも、それって随分前じゃん。 忘れてたよ、私。 「酷いなあ。まあ、よろしくね!山崎愛香ちゃん♪」 チャラそ〜っ!もう、絶対チャラいじゃん、この感じ! 見た目チャラくて、中身まんま! 亜希みたいじゃんっ! 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |