《MUMEI》

「…ま、まあ、よろしくね。私寝てるけどね、大体は…」

「えー。つまらないじゃん。喋ろうよ」


えー。つまらないなら、寝てればいいじゃん。

それに今の時代は携帯ってもんがあるんだからさ。

携帯いじってればいいじゃん。


「あ、矢崎くんて呼ばないでね。健太って呼んでね、愛香ちゃん♪」

「愛香ちゃんって…鳥肌たつんだけどっ」

「えー!じゃあ、愛香ね」


別に苗字でいいじゃん。

恋人同士じゃあるまいし。


「てか、俺、健太って名前嫌いなんだよなー。もっとかっこいい名前が良かった」


…この人、馬鹿なのかな。

亜希みたいだな、一人で勝手に喋って。


「別に…"健太"って名前もいいじゃん」

「ほんとにっ?他の奴らにさ、見た目と名前にギャップがありすぎって言われんだよ」

「…あー、否定出来ない」

「だろ?」


確かに"健太"って感じではないな。

だからといって、どんな名前がこの人に合ってんのかも分からないけど。

…てか、何私は普通に相手してあげちゃってんの。

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