《MUMEI》 「あ…はい///えへへ///…かなちゃんでもいいですよ♪」 「そっか、かなちゃん♪」 僕がそう呼ぶと、かなちゃんは女の子のように可愛く笑ってくれた。 「お腹減ってないかな、何か食べる?」 かなちゃんのお友達を探しがてら周りを見渡すと屋台の出店がいっぱい立ち並んでいたので、かなちゃんに何かプレゼントしてあげようと思った。 「う、うん…リンゴ飴食べたい///」 かなちゃんは素直にそう言うと、子犬のように目をキラキラと輝かせながら屋台にあった真っ赤で綺麗なリンゴの飴を指さしていた。 「じゃあ2つで」 かなちゃんと僕の2人分を買い、久しぶりのリンゴ飴を頬張ると甘酸っぱくて美味しかった。 「ありがとう、僕も久しぶりに食べたよ」 「えへへ///俺も、ありがとうございます先輩♪」 「先輩じゃなくってさ…」 そう言うと、かなちゃんの可愛いおでこを撫でながら、顔にかかっていた綺麗な髪の毛を耳にかけてあげた。 「んっ///」 「今は下の名前で呼んでくれないかな、かなちゃん」 親しみを込めて名前を呼んでもらいたかった、キミとの距離を縮めたいから。 「下の名前って…」 「陸だよ、七森陸って言うんだ」 ”七大陸”みたいな名前、世界の全部って意味で付けたらしい、2番手か3番手が落ち着く僕には荷の重い名前だった。 「陸だから…りっくんだ///」 「りっくん…か///」 かなちゃんに可愛い呼び名を付けてもらった。 「ありがとう、かなちゃん♪」 「えへへ///どういたしましてりっくん♪」 今度ははぐれないようにかなちゃんの手をギュッと握り、人混みの少ない方へとかなちゃんを連れて行った。 前へ |次へ |
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