《MUMEI》

今の画だけ見ると、何か私だけが悪いみたいじゃん。

違う違う違う。

すべてこの馬鹿が原因。


「でも、いいじゃん!ちゅーがダメならメアド!メアドなら全然良くない?」


ちゅーがダメならメアド?

うーんと、馬鹿レベルがハンパないね。

ちゅーがダメならメアドの意味が全く分からない。


「健太さあ…、一体何なの」

「愛香と仲良くなりたいのさ」

「もう仲良しだよ」


最高の引き攣り笑いを差し上げると、健太は唇をとがらせた。

普通の女の子なら"可愛い〜っ"とか思っちゃうのかしら。

今の私には、全く可愛く映らない。

むしろ馬鹿丸出し。


「じゃあ、もっと仲良くなる為にメアド!」

「君、諦めるという言葉は知ってる?」

「知らない!」

「そう。じゃあ、今覚えて。諦めて下さい」


…ん?

何か一気に辺りが静かになったような。

健太も周りの様子が気になったのか、私と同時に視線を数学教師の方へ。

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