《MUMEI》 昼休みの賑やかな廊下をフラフラと通り抜け、やっとトイレに到着。 珍しいな、こんなにトイレが空いてるなんて。 女子トイレにいれば男子は絶対に入ってこれないもんね。 もし奴が来ても逃げ込める。 「私って天才?」 うん。間違いなく天才かも。 そして普通にトイレに入ろうとした瞬間に…。 「ちょっとちょっと待って」 うおーい、えーっ! 誰かに肩を捕まれ、トイレから若干遠ざかった。 誰、誰、誰よ…。 振り返るとそこにいたのは健太ではなかった。 ちょっと安心。 …ん?でも待てよ。 コイツ、チャラいな見た目…。 「あ、やっぱり噂の愛香ちゃんじゃーん!はじめま♪」 …は?やっぱりチャラい。 てか何で私の名前知ってんの。 余裕で初対面なのに。 「あの、えっと、どちら様?」 前へ |次へ |
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