《MUMEI》

「教室戻れっつったじゃん、ばっか野郎が!」

「一緒に戻ろう、ぜーっ!」


…めんどくさい。

女じゃないんだから、ガキじゃないんだから、一人で戻れっつの、まじで。

でもこのままだと、私がトイレから出るまで待ってそうだから、仕方なく出てやった。

すると、奴は満足そうに笑う。

…何なの、ほんとに。


「愛香がいねーと、教室つまんねーからさ!」

「友達いるでしょ」

「いるけど、隣の席は愛香だけじゃんか!」

「あっそ」


ダメだ。こいつは本物の馬鹿だから。

にしても、何でこんなニコニコしてんの。

ほんとに馬鹿だしダルいし、わけ分からない奴。


「愛香!ちゅーしてもい…」

「黙ろうか☆」


いつまでこんなダルい生活は続くんだろうか。

まあ、こいつと同じクラスな限り無理だろうな、平穏な生活は。


とりあえず教室へと向かう。

その間、奴はずっと一人でベラベラ喋っていた。

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