《MUMEI》

「紹介するよー。亜希のこと。そしたら、ちょっとは私への被害なくなるだろうし?あいつらのことだから分からないけど」

「愛香ああっ…」


うわ、うわ!ちょっと、泣きそうじゃん!

今こんな教室で泣いたら、誤解されるし!

何より、亜希の素晴らしく濃い化粧が崩れる!


「亜希、泣かないで!化粧崩れちゃうよ!」

「はっ!それは無理!」


必死に涙を抑える亜希。

私と目が合うと、いつものように笑った。

うん、亜希化粧濃いけど、やっぱり可愛い。

絶対すっぴんも可愛いのに。

そういえば、まだ亜希のすっぴん見たことないや。

いつも化粧バッチリだし。


「とりあえず…私は奴らとメアドくらい交換…」

「メアド交換…嫌なら、愛香しなくてもいいけど」

「いいよ。ちょうどあいつ、教えろって毎日うるさいし」


同時に"ちゅーしていい?"もうざいんだけど。

メアドくらい教えれば、ちょっとはマシになるでしょ。

うるさいのは変わらないかもしれないけど。

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