《MUMEI》

オレンジ色に灯るガスライターの炎――…



のび助は、その灯火を凝視しながらある名前を呟く。



のび助「…ド… ラ …… ミ …。」



突然すっくと立ち上げると、夢遊病者のような足取りで居間を出る…。



そして恐ろしくて昇る勇気が湧かなかった、2階への階段に足を踏みだした。



――… ミシリ … ミシッ … ミシリッ …



階段を昇りきったところで、右手にある襖を開けると――…



そこには、亡き息子とドラえもんの笑い声が、今でも余韻となって残されている、6畳一間の部屋があった。



のび助は、生前のび太が使っていた部屋に足を踏み入れる――…。

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