《MUMEI》
 Story.3 : 金魚すくい
「亜希ですっ!是非仲良くしてくださいっ」


ポカーンとする馬鹿野郎と変態野郎。

見事なアホ面…。


只今、約束通り亜希を二人に紹介中。

放課後の誰もいない教室だから、かなりシュールな画。

梨華子は興味ないと言って、さっさと帰ってしまった。


「えっと…」

「だーからさ、二人は亜希と友達になればいいの!分かった?」


いつものテンションと馬鹿っぷりはどうしたのよ。

亜希まで緊張してるから、変な感じだよ、もう。


「えっと、俺はとりあえず矢崎健太ね。同じクラス…だね」

「俺は山野彰。クラス違うけど、まあよろしくね〜」


何だかぎこちない健太を、私は思いっきり睨んでやった。

変態野郎は、人見知りがないのかこの雰囲気に慣れたのか、いつも通りになってきたかも。

…いや、それとも亜希が可愛いからなのか…?

絶対、変なことはさせないんだからっ。


「あ、の!メアドとか交換してもい…」

「いいよいいよ♪しよしよ〜」

「ちょっ、彰、むやみやたらと亜希に触らないで!」


なんて言ってみたけど、変態野郎の耳には届いてないみたいだ。

普通に肩抱いちゃって、携帯赤外線。

珍しく、亜希の顔は真っ赤。

…あーもう。

これだから変態野郎は…。

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