《MUMEI》

「ありがとう、彰くんっ//」

「全然いいよ♪いつでもメールしてね☆」


…てか何だか、もう亜希の目には彰しか映ってないっぽい。

健太の存在忘れてるな、多分。

最初はあんなに"矢崎くんカッコイイ"言ってたのに。


「健太。多分、アンタ忘れられてる」

「えっ、まじっ?」


ベタベタしやがって、変態野郎がっ。

亜希が可愛くてスタイルいいからって、やたら触んなっ!

…と、言いたいけど、亜希は別に嫌じゃなさそうだし…。


「ねぇ、彰くん…今日一緒に帰らない…//?」


へっ!?ちょっと亜希!

そんな奴と帰ったら、どうなるか…。


「いいよ♪亜希ちゃん可愛いから、俺が家まで無事に送り届けてあげるっ」

「彰くんっ//」

「「何だコレ…」」


私と健太は思わず顔を見合わせて苦笑い。

…まあ、お似合いっちゃ、お似合い…?

二人は私たちの存在も忘れ、教室から出て行った。

これは、付き合い出すまで早そうだな〜。

紹介しといて良かった。

これであの変態野郎は多分、私の方には来ないし。

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