《MUMEI》

そして自動的に一緒に健太と学校を出ることになった私。

…うん、最悪。


「愛香と並んで歩くの初めてじゃん、興奮する〜!」

「気持ち悪いし、勘違いされたくないから、後ろ歩いて」

「ひっどい…」


まじで泣きそうな5秒前。

あらあらあら。

綺麗な顔立ちだから、こんな顔すると悔しいけど可愛らしい。

これにキュンときちゃう女の子がたくさんいるのね、きっと。


「てか健太さ、彼女とかいないわけ?」

「今はいない☆てかちゃんとした彼女って中2以来いないかな」


チャラい〜。

別に彼女つくらなくても、女の子が寄ってくるのね。

イコール、やりたいことは簡単に出来る訳ね。

はいはいはい、チャラい。


「愛香はいないよね?」

「さあ?」

「いないでしょ!俺知ってんだから」


怖いわ。ある意味ホラー。

何で知ってんの。

まあ、見てりゃいないことくらい分かるか。


「いないけどさ」

「てか、もうすぐ夏休みだな!愛香、夏休み遊ぼうな!んで、ついでに、ちゅーしちゃお…」

「黙ろっか☆」

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