《MUMEI》

しずか「分かったわ……話せないような悩みなのね…?」



冷たい目とは裏腹に、優しい口調で問いかけると、彼はコクリと頷いた……。



しずか「…じゃあ、私は自分の意思で、勝手にスネオさんを手伝うことにするわ…。」



私は彼の元に進み出て、地面に置かれた買い物袋を拾い上げたの…。



スネオ「しずかちゃん………。」



スネオさんは涙目で私を見上げていたわ。



その瞳には、ギッシリと林檎が詰まった買い物袋の紐を肩にくい込ませる私が映っている――…。

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