《MUMEI》 間の抜けた前説を聞かされた後、ようやく幕が上がった。 すると、そこには金魚鉢が一つ、置いてあるだけだったのだ。 「なんだ、ぼったくりか?」 成金男は喧嘩腰に野次を飛ばす。 「まあ、貴方ごらんになって。」 老夫人は、老紳士へと声をかけた。金魚鉢へフイリプ達は頭を押し込んだ。 そこには水草の影で、人の形をした上半身の魚が、たゆたっていた。 前へ |次へ |
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