《MUMEI》 俺も今後、そんな人に出逢えるだろうか? そして、その人と結婚して幸せな家庭を築けるだろうか? 自分の将来について考えていると、ポンと頭の上に何かが乗っかった。 「初めは彼女の子供だからと思っていたが、今は。父さんの、俺の子供だと思っている」 「…親父」 いつもだったら子供扱いするなって怒るけど、今は嬉しかった。 本当は、ただの義理で俺を育てていたのかと思っていた。 愛情を痛いほど感じていたけど、それが全て演技だったと言われたら立ち直れない。 だけど、親父はちゃんとした親父だった。 血は繋がってないだろうけど、俺と親父はれっきとした親子だ。 グリグリ頭を撫でる親父に、俺は笑いながらされるがままでいた。 前へ |次へ |
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