《MUMEI》

スネオ「ママー!…どうして!?」



スネオさんは物云わぬ石像にすがりつき、狼狽しながら揺さぶるも――…



…それはゴトゴトと無機質な音を立てて揺れるだけだった。



私は、そんなスネオさんの後ろ姿を見下ろしながら、ニヤニヤと微笑を湛えていたのよ…。



やがてスネオさんは、あたふたと携帯電話を取り出すと、震える手で操作し始めたの。



スネオさんのママが石にされたことをパパに伝えるために――…。



――…そんな事をしてもムダよ……



――…アナタのパパは今頃、人知れず命を絶っているわ…(笑)



私は心中で密やかに毒を吐いたのよ。

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