《MUMEI》

スネオ「あぁ、そうだった…。」



スネオさんは呆けた面持ちのまま、あっさりと偽りの記憶を信じこんだわ。



スネオ「ああ、でも……なんて素敵な時間だったんだろう――…。」



スネオさんは幻の中で抱いた、私との情事を回想してゆく――…。



その表情がうっとりと弛るんでゆく様子がとても気持ち悪くて、私のはだけた肩にゾワゾワとした鳥肌が立った…。



スネオ「まるで夢の中にいるみたいだったよぉ……。


…あぁ……でも……」



やがてスネオさんの意識は、夢の中を漂っているようなひと時から、空虚な現実へと引き戻されてゆく――…。

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